気の毒な力作  シンドバッド

ドリームワークス最後の2Dアニメーションです。
大規模な予算をかけたにもかかわらず、興行的には大失敗だったそうな。
この作品の前にもいくつか2Dアニメはあったんですがどれも興行的に成功とは言えなかった上にこの作品の不入りが重なったため、ドリームワークスのトップであるカッツェンバーグはこれ以降2Dアニメーションの製作から撤退することを決定してしまいました。
このあたりから米国では”2Dアニメーションは死んだ”とか、いやそうじゃないとかいう論争が始まったりしました。そういう意味では歴史に残る作品とも言えるかもしれないです。
前後はわからないですが、ディズニーもだいたい同時期に2Dアニメからの脱却を言い出して、アニメーションスタジオをバサバサと閉鎖して行きました。今から何ヶ月か前にはオーストラリアのスタジオが閉鎖になりましたね。
ディズニーの場合、きっかけになったのは「トレジャープラネット」の不入りだった訳ですが、ドリームワークスの「シンドバッド」の方も、どちらも昔の船舶ものを原作にして、どちらも高めの年齢層を狙って、どちらもコケてしまったというのが興味深いです。
「トレジャープラネット」のほうはそれでもなんとか日本公開にこぎ着けたものの、「シンドバッド」の方はドリームワークスが意気消沈してしまったのか、日本公開が中止されてしまいました。一部では予告編が公開されるなど、プロモーションが始まっていたんですが、結局日の目を見たのは今回のDVD発売によるものでした。

実は自分がこれを買ったのはだいぶ前のことで、結構時間があったにも関わらず長い間「何となく」観る気が起きないでいました。これといって観たい要素が見つからなかった訳ですが、結構ここら辺が作品の勝否を分けたのかもしれないです。作品の出来”以前”に新鮮な内容であるのかどうか。

やっと今日になって”見ても良いかな”という気分がでてきて実際に鑑賞した結果、気の毒なくらいよく出来た内容であることがわかりました。「これでダメなら他にどうしろというのか」という声がきこえてきそうな感じでした。
もちろん欠点はいくつもありますが、少なくとも自分は「トレジャープラネット」よりはずっと面白いと感じました。
欠点の一つとしてキャラのルックスがマズいというのはあります。
パッケージにもありえないぐらいのマユゲ犬(苦笑)が写ってますし、「パイレーツオブカリビアン」のジョニーデップのなり損ないみたいなオヤジも出てくるんですが、動き自体はごく自然だったり、時には華麗で、静止画の印象とは全く違うものになっていました。
アクションシーンも迫力があるし、主人公のキャラクター性も、悪ぶっている中に時折見せる真剣な表情など、よく出来ていると思う。終盤の葛藤も興味深かった。
もう少しうまくプロモーションできていれば、あるいはもっと早い時期に公開されていれば、結構ヒットしたんではないでしょうか。

ただ、見終わって思うのは、よく出来ている以上のものもなかったというのはあります。どれもまとまりすぎていて、偏愛できそうなキャラクターも特におらず、観た後どんどん印象が薄れて行ってしまうタイプの映画であるともいえると思います。

何の情報も無いのにDVDを買えというのは酷かもしれないですが、レンタルで見かけたり、安くなったりしたら観てみても損はないでしょう。

余談ですが特典映像にあるサイクロップスの島の短編は、ちょっとあれではサイクロップスたちがカワイソ過ぎないデショか。主人公たちの方が侵入者なのに一方的にタコ殴りにされてました…。そこら辺がアメリカっぽさなんでしょうかねぇ…。
[PR]
by yoshihide-ohkubo | 2005-09-20 00:02 | カートゥーン


<< J-waveのJALのCMの曲... BLACKSAD-凍える少女-... >>